乾そばは、さらに裁断工程を経て、品質管理スタッフの厳しい目でチェックされてようやく製品になります。同社では、年間に乾そばだけで4500トン〜5000トンの生産量があり、このほかに生麺、半生麺、中華麺などの製造もしているそうです。 こうしてじっくりと製造過程を見せてもらうと、「おいしいそばを食べてもらいたい」というそばに込められた思いは、乾そばも手打ちそばも同じなんだ、ということが伝わってきます。今まで以上に、ますますそばへの愛着が増してきました。そこで、気合も新たに、いよいよ「そば打ち」に挑戦です。 講師の先生はいずれも地元のそば打ち名人ばかり。私は野池先生にご教授いただきました。まず、こね鉢にそば粉を入れ、ここに熱湯を注ぎます。この時立ち上がるそばの香りがたまりません。もちろん、製粉工場の挽きたての粉なので水でもつながりますが、その昔、戸隠ではそばをお湯で打っていたそうで、「打ち方は戸隠流に |  |  | |
こだわりたい」という大日方社長の方針で、私たちは戸隠そばの本流を体験することができるのです。 お湯で水分を馴染ませたところに、今度は小麦粉を加えてよく混ぜ、さらに水を入れて本格的な水回しに入ります。ここが序盤戦の最大のポイント。粉たちがまんべんなく水分をまとっていくと、自然にそばの塊が大きくなっていきます。ここから捏ねを150〜200回。聞けば気の遠くなるような回数ですが、徐々にしっとりと、そして照りをますそば玉の変化が楽しくて、それほど長い時間とは思えません。 |
 |  | そしていよいよ延しです。野池名人は、あまりにリズミカルにそして自然にやるので簡単そうに見えるのですが、自分でやるとこれがなかなか思うようにいきません。ここは慌てず、でもそばが乾燥してしまわないうちにできるだけ急いで、不恰好でも先生の仕草を真似てなんとかクリアしました。しかし、分かってはいたものの、そば打ちは本当に奥が深くて難しい。「あの店のそばはどうこう…。」とのたまっていた自分を反省することしきりです。最後は切り。ここまでくれば麺線が不ぞ | |
ろいなのはご愛嬌。もう達成感と満足感で一杯です。 打ちあがったそばは、生麺のまま持ち帰ることもできます。でも、挽きたて、打ちたて、茹でたての“三たて”を味わいたいなら、この場でいただかない手はないでしょう。自分で打ったそばは、不揃いながらも格別の味がしました。 体験の料金は、一鉢(そば粉350グラム、小麦粉150グラム)で3150円。約3人分できます。一鉢を仲良く打つ家族連れも多いとか。 予約は、「おびなた・そばであいかん」TEL:026-254-3828までお電話にて申し込みください。「そば打ち体験」は「おびなた」以外にも、「とんくるりん」や「そば蔵」など、長野市内には「そば打ち体験」ができるところが 幾つかあります。 |
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今回の経験で、「信州のそば」は探求すればするほどはまってしまう素晴らしい世界であることを痛感しました。「そば通」などと呼ばれるのは撤回して、この奥の深い世界へもっとどっぷりと入り込んでみたいと思っています。 北信濃の気候風土によってもたらされた上質なそばと清らかな水、そしてそれらに関わる人たちの、そばにかける愛情。そのどれひとつかけても、おいしいそばにはなりません。そして、そのすべてがそろっているのが「信州そば」なのです。 このコラムを読んでくださった皆さんが、「信州そば」を楽しんでいただければ幸いです。感謝を込めて。 |
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