「長国寺の鶴」伝説
むかし、長国寺に、松代藩初代のお殿様、真田信之公の霊をまつる立派なお霊屋が建てられました。宝殿正面には美しい二羽の鶴が彫られ、目映いほどに人々の目を引きました。この鶴は彫刻の名人、左甚五郎の作と伝えられます。ある年の秋、長国寺の裏の田が大豊作となりました。村の衆は喜んで祝の祭りを開き、いよいよ稲刈りに田へおもむきました。ところが、つい昨日まで黄金色に輝いていた田は見る影もなく、稲は倒され、穂が食いちぎられていたのです。しかも、日に日に被害がひどくなっていきます。ついに見張りを立てることになり、夜、村人が草むらに隠れていると、なんと、二羽の鶴が飛んできて稲の穂を食べ始めました。「ありゃあ長国寺のお霊屋の鶴じゃねえか?」「まさかそんな」村人が泥を投げると鶴の足に命中し、驚いた鶴は長国寺の方へ飛び立ってしまいました。あわてて寺へ行ってみると、案の定、彫刻の鶴の足に泥がついています。話を聞いた和尚さんは、二度とそんなことをさせまいと、鶴の足を鉄の鎖でつないでしまいました。それから田んぼは荒らされなくなったということです。
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