戸隠古道を歩く
©善光寺
創建以来約1400年の歴史を持ち、長野市を代表する観光地である「善光寺」。宗派の別なく誰でも分け隔てなく受け入れる庶民の寺として信仰を集める善光寺では、一年を通してさまざまな行事が行われています。
大勢のお坊さんたちがお経を唱え、太鼓や鐘を鳴らす厳かな法要はもちろん、本堂内の仏像を引き回したり、節分の豆をまいたり、盆踊りを楽しんだり…と、まだまだ知られていない魅力が盛りだくさんです。
この特集では善光寺の年中行事にスポットを当て、善光寺の若麻績秋嘉庶務部長にご案内をいただきながら、計5回にわたって行事をご紹介します。
今回は7月から9月まで、お盆を迎えご先祖様を供養する法会など、夏の善光寺で催される主な行事を取り上げます。
開山忌(かいざんき)[7月13日]
©善光寺
開山本田善光卿の忌日法要。これは浄土宗のみの行事で、午前11時30分から本堂で執り行われます。
施餓鬼会(せがきえ)[天台宗7月15日 浄土宗8月15日]
©善光寺
三界万霊有縁無縁の諸精霊が極楽へと生まれ変わることを願う法要。通称「おせがき」といわれます。
「全国のお寺で行われる時期が違いますが、善光寺では、天台宗が7月15日午前10時から、浄土宗が8月15日午前11時から、本堂にて法要を執り行います。ご先祖様や今は亡き大切な方々、そして自分も含め、みんなが極楽往生できるようにお願いします」
餓鬼とは、物惜しみや嫉妬などによる行いの報いで、飲むことや食べることができず飢えに苦しむ世界に落ちた衆生(一切の生きとし生けるもの)のこと。「おせがき」はこの餓鬼たちを陀羅尼(呪文)で供養し、飢えや苦しみから救います。
盂蘭盆会(うらぼんえ)[浄土宗 7月31日]
©善光寺
祖霊を供養するための法会で、天台宗では6月30日、浄土宗では7月31日に行われます。
午後7時から行われる法要の後、参詣者は誰でも僧侶が打ち鳴らす双盤の音に合わせて、妻戸台の大太鼓を叩くことができます。鳴り物を鳴らすのは先祖供養の意味があり、子どもの姿も多く見られます。昔は本堂内でお籠もり(一夜を明かす)をして、百万遍の大数珠回しがにぎやかに行われていたそうです。今、参詣者が太鼓を打ち鳴らすのはその名残といわれています。
地蔵盆(じぞうぼん)[8月23日]
©善光寺
古くから子どもの守り神として信仰される地蔵菩薩の縁日。午後7時から、おやこ地蔵、ぬれ仏、六地蔵、延命地蔵のほか、お地蔵様がいる宿坊など善光寺境内各所を僧侶がまわり、子どもの健全育成を祈願します。参列した子どもたちにはお札や御供が配られ、それを楽しみに多くの子どもたちが集まります。
「境内にはたくさんの赤い提灯が提げられ、夏の風物詩となっています。子どもだけでなく、大人も夕涼みがてら夏の善光寺の風情を楽しんでみては」
彼岸会(ひがんえ)[9月 秋彼岸入り・中日・明け]
©善光寺
秋彼岸に行われる法要。彼岸入り・中日・彼岸明けの3日間、午前9時30分(天台宗)と午前11時(浄土宗)に法要が執り行われます。
彼岸(ひがん。西方極楽浄土)にいらっしゃる亡くなった方々を供養し、此岸(しがん。私たちが現在いる世界)にいる私たちが浄土に生まれることを願う法会です。彼岸中は、彼岸会とは別に先祖供養の法要なども行われています。
彼岸会の執行日はその年の秋分によって異なります。平成30年は彼岸入りが9月20日(木)、中日が9月23日(日)、彼岸明けが9月26日(水)となっています。
善光寺に関するお問い合わせは…
善光寺事務局 026-234-3591
特集